こんにちは^^
妻と息子と3人暮らしを楽しんでおります、サラリーマンのpepeです。
今回は、太陽光発電システムと蓄電池を新築の注文住宅にお得に導入できる、「建て得でんち」をご紹介します。
この記事はこんな人におすすめ!
- LIXILの建て得でんちが気になる
- LIXILの建て得でんちが気になるけど内容がよく分からない
- 蓄電池がつく「建て得でんち」にして得なのか気になる

我が家も太陽光発電システムを採用していますが、せっかく発電した電気を使いきれないことがほとんど。蓄電池があるといいなぁと思わずにはいられません。
我が家はLIXILの「建て得バリュー」で初期費用0円で太陽光発電システムを導入しています。
ただし、建て得バリューの要件のひとつとして、「蓄電池を付けてはいけない」というのがあります。
それが、今は蓄電池付きの建て得プランがあるだって。。!?そんなの私の時は無かったぞ!!!
ということで、今回はそんな私の悔しい気持ちをぶつけつつ、建て得でんちを出来る限り丸裸にしてやろうと思います!
また、建て得バリューを採用している我が家の電気代などを参考に、建て得でんちはどれだけお得かをシミュレーションしたいと思います。
建て得でんちを採用しようか迷っている方がいらっしゃれば、ご参考になれば嬉しいです!
まずはLIXILの建て得〇〇を整理してみる
さて、建て得でんちの話に入る前に、LIXILの建て得〇〇についてちょっと整理したいと思います。
LIXILには建て得と名の付くサービスがいくつかあります。
建て得バリュー、建て得ライフ、建て得でんち、建て得ライフでんち、などなど。それぞれどんな関係があるのか一見するとちょっとややこしいので整理してみました。
なお、建て得リフォームには今回は触れません。建て得リフォームは、リフォーム時にお得に太陽光発電システムを付けられるプランのことです。後付けがお得にできるのは助かりますね!
リフォームを除く建て得〇〇を表にしてみると、下のようになります。


まずは「建て得バリュー」か「建て得ライフ」のどちらか
まず、基本プランが「建て得バリュー」と「建て得ライフ」です。
どのように違うかというと、載せられる太陽光パネルの出力容量の違いです。
例えば我が家は切妻屋根で、屋根いっぱいに太陽光パネルが12.37kWh載っており、「建て得バリュー」になります。
一方、都市部で屋根の面積を十分に取ることができないだとか、こだわりのあるお家であるなどの理由で屋根に十分な容量(8kWh以上)載せられない場合には、「建て得ライフ」を選ぶことになります。
ちなみに、私が家を建てていた時(2019年~2020年にかけて)には建て得ライフはたしか無く、建て得バリューのみだった気がします。
そして、基本的に屋根には載せられるだけ太陽光パネルを載せる、というのが建て得バリューの条件の一つで、こだわりのある家であろうがなかろうが、太陽光パネルは載るだけ載せないといけなかったのです😐
なので、今家づくりをしている人たちは太陽光パネルを載せる量について選択肢があっていいなぁと思います。。(選択肢があるとはいうものの、最低5kWhは載せないといけないようですね)
話がちょっと逸れました💦
次に、「建て得バリュー」と「建て得ライフ」の金額面での違いをまとめてみます。
ポイントは太陽光パネル&パワコンの設備の初期費用と、それらの設置に掛かる費用です。
設備の初期費用はどちらも実質0円です。
ただし、設置費用については違いがあります。
建て得バリューは設置費用も0円。つまり、太陽光システムの導入にあたり、初期費用は0円になります。
しかし、建て得ライフは載せる太陽光パネルの出力に限らず437,000円(税込)の設置費用が掛かります。
ちなみに、「実質0円」というのはどういうことかと言うと、太陽光発電によって生まれた余剰発電分(発電した電力のうち自分たちで使いきれなくて余った電気)の収入を全てリクシルテプコパートナーズに譲渡する、という条件と引き換えに初期費用は0円でいいですよ~ということです。
建て得バリューについてこちらの記事で詳しくまとめています。ご興味あればぜひご覧ください!
で、この余剰発電分、実は結構あるんです。我が家のとある一日の発電状況はこんな感じです。


青色が買電量、グレーが消費電力量、オレンジが発電量です。
太陽がよく出ている7時~15時は発電量が消費電力を大きく上回り、この時間帯は電気を買わずとも発電分で補えます。というか、メチャクチャ電気が余っています。
このめちゃくちゃ余った分については、建て得の条件の通り売電収入はすべてリクシルテプコに譲渡します。
これだけ電気余っているのにもったいないなぁというのが口癖でした。
そんな中知った「建て得でんち」。
それはもう羨ましいです。お昼間に余りまくっている電力を捨てる(譲渡しているので捨ててはないんですけどね。。笑)ことなくちゃんと活用できるんですから!
蓄電池を追加すると「建て得でんち」
この夢のような「建て得でんち」は「建て得バリュー」もしくは「建て得ライフ」のいずれにも設定可能です。
つまり、
建て得バリュー + 蓄電池 = 「建て得でんち」
建て得ライフ + 蓄電池 = 「建て得ライフでんち」
となります。
建て得バリュー+蓄電池=建て得バリューでんち、ではないんですね(笑)
では、この「建て得でんち」を更に深堀していきます!
建て得に蓄電池!?「建て得でんち」ってどんなプラン?
余剰発電分を譲渡するしかなかった「建て得バリュー/ライフ」に念願の蓄電池がついた「建て得でんち」。
早速プランの詳細を見ていきたいと思います。
建て得でんちの特徴は以下の3点です。
- 太陽光発電システム&蓄電池システムをお得に導入できる
- 蓄電池のおかげで安心&快適な生活を実現
- ためた電気を活用して電気代を節約
それぞれ詳しく見ていきます。
太陽光発電&蓄電池システムをお得に導入
建て得でんち最大のメリットは、太陽光発電システム&蓄電システムをお得な初期費用で導入できるということです。
リクシルのホームページによると、太陽光発電と蓄電池それぞれで製品&設置工賃合わせて約220万円ずつ掛かるそうです。
でも、建て得でんちであれば初期費用約220万円で太陽光発電と蓄電システムの両方を導入できるということです。
なぜ、安く太陽光発電&蓄電池システムを採用できるかというと、新築後10年間はリクシルテプコに余剰売電収入を提供するからですね。
この辺りの仕組みは建て得バリューや建て得ライフと同じです。
さて、この初期費用220万円。皆様はどのように思われるでしょうか。
個人的には初期費用0円で採用できるというのが建て得の最大の強みだと思っているので、蓄電池と言えど220万円の大金が必要というのはちょっと魅力が落ちるかなぁという感想です。
あくまで個人的には、ですが。
この220万円を考慮したうえで建て得でんちにすることでどれくらい電気代を節約できるか、後程ざっくりシミュレーションしてみます。
蓄電池のおかげで安心&快適な生活
リクシルの建て得でんちで採用する蓄電池は実は決まっています。リクシルのカタログではスマート蓄電-T(型式はSBT3-12B)と呼ばれています。
こちらのリクシルの蓄電池の個人的に良いと思うポイントは以下の3点です。
- 蓄電できる容量がでかい
- 全負荷型
- スマートAI
大容量
蓄電できる容量は11.5kWh(初期実効容量9.5kWh)だそうで、冷蔵庫、ルーター、テレビ、照明2基、スマホ充電2台(合計280W)を想定した場合、最大34時間利用できるそうです。
おそらく非常時の想定でしょうが、災害時などでも困ることはなさそうですね。
全負荷型
また、停電時に家中のすべてのコンセントから電気を供給できる(=全負荷型)のもメリットだと思います。
例えば我が家の太陽光発電システムも非常時にリアルタイムで発電している電気を使用できるのですが、太陽光発電システムから供給される電気を利用できるコンセントは決められています(特定負荷型)。
家中全てのコンセントからは供給されず、しかも非常時用のコンセントは普段使用できないのです💦
非常用のコンセントはたしか家の中で2,3か所だったかと思います。
しかし、これが全負荷型だと非常時でも変わらずすべてのコンセントを使用できるというのですから、便利そうですね(私が今の家に住んでから停電したことがまだないので、実際にどれくらい便利かは分かりません)。
スマートAI
蓄電システムに搭載されているAIが住人の安心便利な生活をあらゆる面でサポートしてくれます。
まずは災害対策モードについて。普段は通常モード(太陽光発電の余剰分を充電して夜間使用に備える)ですが、大雨などの警報が発令されると自動的に「災害対策モード(強制的に蓄電して満充電にする)」になったり、停電を検知すると「自立運転モード」となって太陽光発電システム&蓄電池から電気の供給をします。
我が家の太陽光発電システムも通常モードと自立運転モードがありますが、建て得でんちの場合はそこに災害対策モードが加わります。勝手に充電してくれているのは安心ですね。
さらに、普段の太陽光発電&蓄電池の利用についても、AIが電力消費データをもとに各家庭に最適な電力使用&蓄電パターンを編み出してくれるというのです。
例えば翌日は休日だけど雨予報だ、という場合。雨なので発電はあまり見込めないけど外出はしないだろうから消費電力が多くなるだろう、と予測し夜間電力で蓄電をする、という判断をしてくれます。
蓄電池×AIにより節電効率がものすごく上がりそうですね!
ためた電気を活かして電気代節約
太陽光発電と蓄電池を活用すれば、買電量を大きく減らすことができます。
太陽の出ている日中は太陽光発電により得られる電気で自家消費分の電力を十分に賄い、かつ余剰分は蓄電する。
夜になって発電ができなれば、日中に蓄電した電気を使う。
蓄電分で賄えない電力を買電する。
これが太陽光発電システム&蓄電池のある家の日常なのかな、と思います。
我が家は太陽光発電システムのみ採用しており、例えば一日の消費電力量、買電量、発電量は下のグラフのような感じです。


青が買電、グレーが消費電力、オレンジが発電量なのですが、日中は買電の必要はなく、発電分で消費電力を全て賄うばかりでなくかなり余分に発電しています。この分を蓄電に回して夜に使用できるのですから、大変効率が良いですね。
当然節約にもなります。
建て得でんちは得なのか?シミュレーションしてみた!
さて、ここまで「建て得でんち」の特徴についてご紹介してきました。
個人的には建て得でんちのネックはやはり初期費用かな、と思います。
蓄電池が増えることによる追加費用の約220万円。いくらお得に蓄電池が追加できますよ、とはいっても高いものは高いです。
ここではおまけとして、我が家が建て得バリューでなく、もしも建て得でんちだったらどれだけお得になるのか、をシミュレーションしてみます。
建て得バリューから更にかかる初期費用220万円はどれくらいの期間で回収できるのか、を計算してみます!
シミュレーションの下準備
シミュレーションを始める前にどんな条件でシミュレーションするかを少しお話します。
結果を早く知りたい!という方はこの章を飛ばしちゃってください!
消費電力量&発電に関するデータ
発電量や消費電力量は各月で結構変わります。ということで、直近の1月から12月までの12か月分のデータを使おうと思います。
なお、さすがに365日分のデータを考慮するのは大変そうだったので、各月の平均的な発電量、消費電力量の日を1日選び、その月の代表として計算に使うことにしました。
蓄電量に関するデータ
蓄電池はスマート蓄電-T(型式はSBT3-12B)を使用します。
蓄電容量は初期実効容量を参考として9.5kWhとします。
少し調べてみましたが、蓄電池はカタログ値の容量全てを充放電できるわけではないそうです。
原因は、以下の2つ。
- 電力変換効率
- 放電深度
この蓄電池はリチウムイオン電池を採用していますが、直流で充放電するそうです。実際に私たちが家電で電気を使うには交流に変換する必要があるので、直流-交流の変換効率が95%とのこと。つまり、ここで5%損しちゃうということです。
また、放電深度とは、容量に対する放電量の割合。充放電を繰り返す蓄電池の劣化と関係があるそうで、この深度が深いほど劣化しやすいそうです。
で、家庭用蓄電池ではだいたい70%くらいに設定されているとのこと。
で、リクシルの蓄電池の容量のカタログ値は11.5kWh。電力変換効率95%と放電深度70%を考慮すると実効容量は8.05kWhとなります。カタログで示されている初期実効容量もカタログ値に対して電力変換効率と放電深度を考慮した値とあるので、放電深度が少し違うのかな。。?
シミュレーションでは一旦カタログに記載の実効容量を使うことにします。
ちなみにカタログによると、家電を280Wh(=0.28kWh)分使った場合34時間連続使用出来ると書いていて、計算してみると下のようになります。
0.28(kWh) × 34(h) =9.52kWh
確かにちょうど初期実効容量くらいの消費電力になっていますね。
シミュレーションでも日中の余剰発電分を蓄電容量内でまるっと蓄電できるとして計算します。
一方で、放電の方は何か制限を見つけられなかったので、容量以外は特に制限を考えません。
いよいよシミュレーション!
シミュレーションの様子を少しご紹介しておきます。
蓄電池は標準運転モードである自家消費モードで動かすことにします。これは、余剰発電分を充電して発電量の少ない夜間や早朝に活用するモードです。
8月のとある一日を例にとってみます。まず、買電量(青)、発電量(オレンジ)、消費電力量(グレー)の様子がこちら。横軸は時刻です。


6時から18時にかけて発電しています。特に7時から16時は買電無しに発電だけで自家消費電力を賄えています。
で、その時間帯でオレンジとグレーの差分(赤矢印の部分)が余剰発電分となります。これを蓄電します。すると、蓄電量はこのように推移するはず。


蓄電は朝の7時から始まり11時には蓄電容量の上限である9.5kWhに至り、しばらくは余剰発電分は充電されません。
しかし、17時あたりから発電量を消費電力が上回り、いよいよ蓄電池の本領を発揮し始めます。ここからは消費電力分を蓄電した電気で賄っていきます。
本当は24時で終わりですが、この時点でまだ蓄電量が残っていたので、このまま計算を続けます。
蓄電量が尽きたのが明け方の3時。
ここからは発電が始まるまで買電をします。
蓄電池の有無で買電量を比較するとこんな感じ。


緑が蓄電池あり、オレンジが蓄電池無し(太陽光発電だけ)です。
買電量は蓄電池無しが10.3kWhに対して約8分の1の1.4kWh。差は歴然ですね~。
さて、こんな感じで各月の買電量を計算していきます。
結果発表~!!
では、1年を通して蓄電池有無による買電量の違いはどうなったのか??月ごとの買電量は下のような感じです。


青が太陽光発電のみ、オレンジが太陽光発電+蓄電池です。
今回は各月について代表的な1日を選んだので、中には蓄電池のおかげで全く買電する必要のない日が出てきました。
天気によっては本当にそんな日もあるかもしれませんが、曇りだとか雨だと買電無し、とはいかないと思います。
そのため今回の結果はちょっと極端に出た結果、参考程度に出た結果とお考え下さい。
なお、年間買電量は太陽光発電のみだと3,832kWh、太陽光発電+蓄電池だと612kWh。蓄電池によって約16%に抑えられています。
最後に電気代を計算してみました。太陽光発電のみは建て得バリューの電気代プラン、太陽光発電+蓄電池は建て得でんちの電気代プランで計算しました。
年間で太陽光発電のみの場合は89,300円、太陽光発電+蓄電池の場合は18,400円でした。その差額は78,900円。
さて、建て得バリューは初期費用0円だったのに対し、蓄電池を加えた建て得でんちは蓄電池の分だけ約220万円初期費用として掛かりました。
この差額を埋めようとしたら27.9年掛かります。
なお、今回は売電を考慮していません。新築後11年目からはリクシルテプコへの売電収入の提供がなくなるので、その分電気代の負担が減ります。
その為、初期費用の元を取れる年数も減るでしょう。
ただ、蓄電池が増えるのでメンテナンス費用は間違いなく増えるはず。この辺りのプラスマイナスがどの程度効いてくるかはちょっと分かりませんね💦


結論!建て得でんちは経済的かは微妙だが安心ではある
色々と端折ったり仮定しまくったりしたので、実際の精度がどこまであるかは分かりませんが、とりあえずシミュレーションをしてみました。
結果として、年間買電量は太陽光発電のみの場合は3,832kWh、太陽光+蓄電池の場合は612kWh。約16%に抑えられることが分かりました。
年間の電気代にすると太陽光発電のみの場合が89,300円、太陽光+蓄電池の場合が18,400円。その差は78,900円でした。
なお、建て得でんちは建て得バリューに比べて初期費用の差が220万円ありますが、その差を埋めようとすると約28年かかりそうです。
ただし、今回は新築後11年目以降の売電収入や、蓄電池のメンテナンス費用などは考慮していないので、今回のシミュレーション結果からどの程度ずれるかはちょっと分かりません。
ただ、蓄電池の分の初期費用の元を取るには20年以上はかかりそうな雰囲気はあるかも。。
でも、蓄電池のメリットは電気代節約だけではありません。停電時に太陽光発電量が小さい夜間や早朝でも電気を利用できるという大きなメリットがあります。
節電と同時に安心も得られるという点で、蓄電池を採用する価値はあると思います。
スポンサーリンク
まとめ
今回は、LIXILの建て得でんちについてご紹介しました。
約220万円の初期費用を掛ければ、建て得バリュー(建て得ライフ)に蓄電池を追加することができます。
蓄電池により、電気代の節約だけでなく停電時にも太陽光発電により得られる電気を有効活用できます。
ただし、電気代の節約に限っては、初期費用の元を取ろうとすると少なくとも20年以上は掛かる可能性があり、元を取ることだけを考えると満足できないかもしれません。
もしLIXILの建て得サービスをご検討中の方がいらっしゃれば、ご参考になれば幸いです。
では今回はここまで。また次回よろしくお願いします!


にほんブログ村