こんにちは^^
妻と息子と3人暮らしを楽しんでおります、サラリーマンのpepeです。
今回は、未来発電は結局のところお得なのか?についてお話します。
この記事はこんな人におすすめ!
- 未来発電を活用しようか悩んでいる
- 初期費用0円になるが、10年間売電できないというのが気になる
- 自分で太陽光発電設備を購入した方がお得なんじゃないの?と疑っている
太陽光発電システムの初期費用が0円になるのは嬉しいけど、10年間売電できないんなら結局得しないのでは??とお悩みの方もいらっしゃると思います。私も未来発電で太陽光発電システムを採用した後でずっと気になっていました(笑)
そんな疑問に、我が家の発電実績をもとにシミュレーションしてみて、お答えしたいと思います。
売電価格が徐々に下がっている昨今、長い目で見て未来発電がオトクとなる可能性が高そう。でも、未来発電を使うには制約があります。初期費用0円と制約をしっかり天秤にかけて判断することが大事。。!?
未来発電ってそもそも何??
未来発電とは、初期費用0円で太陽光発電システムを採用できるというサービスのことです。
で、タイトルで「未来発電(リクシル/建て得バリュー)」と書いているのがちょっと分かりにくいですが、ざっくり言うと未来発電≒リクシルテプコ(LIXILと東京電力の合弁会社)の建て得バリューと考えてよいです。
三井ホームで選択できる似たようなサービスに未来発電Gというのがありますが、こちらはエネファームを採用する際に太陽光発電システムを初期費用0円で採用できるというもの。
我が家は建て得バリューで太陽光発電を採用しました。(というか、私が打合せしていた時点では未来発電Gが無かった。。?)
では、次にリクシルの建て得バリューで太陽光発電システムを採用するメリットは何か、自分で太陽光発電を採用する場合と比べて何がデメリットになるかを整理してみます。
未来発電or自己負担。メリット/デメリットは?
初期費用0円で太陽光発電システムを採用できる未来発電。
しかし、良いことだけではないようです。
ここからは、未来発電のメリット/デメリット、自分で太陽光発電を購入して採用するメリット/デメリットを整理していきます。
未来発電(リクシル/建て得バリュー)
一番の特長は太陽光発電システム採用の初期費用が0円であること。(ほぼ)唯一にして最大のメリットですね。
一方で、建て得バリューを採用するための条件(≒デメリット)がいくつかあります。
まず、リクシル製品をいくつか採用する必要があります。
サッシ、ドア、太陽光発電システムをリクシル製にするのが必須で、その他にリクシル製品を採用すればそれに従ってリクシルテプコの電気料金が安くなります。ここはメリットですね。
ただ、サッシをリクシル製とすることに難色を示す方が多いのかな、と感じます。どうしてもリクシル以外に採用したいメーカーがある、という場合は建て得バリューの採用を断念しなければいけません。
また、原則屋根いっぱいに太陽光パネルを載せなければいけません。
我が家も漏れなく載っています。そのため、12.37kWhという一戸建てにしてはかなり多めのパネル容量となっています。ちなみにパワコンの容量は9.9kWh。こちらもかなり多いと思われます。
そして、建て得バリューが長い目で見てオトクか?と考えざるを得なくなる要因が「10年間売電できない」という条件です。
春や夏の天気の良い日だと、日中は発電量が自家消費分を上回ることがよくあります↓
本来なら自家消費せずに余った発電分は売電できるわけですが、建て得バリューの場合は売電できません。蓄電もできません。
分かってはいますが、発電の余剰分をどうにもできない、というのがかなりもどかしいんですよね。。
建て得バリューについてはこちらでまとめています。ご興味あればご覧ください↓
自分で太陽光を採用
建て得バリューの裏返しのところがありますが、個人的に一番大きなメリットが余剰発電分を蓄電もしくは売電できることだと思います。当たり前っちゃ当たり前ですが、建て得バリューを採用している側から言うと大きなメリットに感じます。
一方で、デメリットは初期費用が掛かること。一戸建てだと、発電システムとしてだいたい3~5kWくらいが多いそうですが、5kWの発電システムで137.5万円ほど掛かるそうです。
繰り返しになりますが、建て得バリューで発電システムを導入した我が家はパワコン容量が9.9kW、パネル容量が12.37kWと、一般的な発電の容量の約2倍になっています。
正直なところ、ここまでの規模の発電システムは過剰かな、、と感じられます。ゆくゆくはパネルを廃棄することになるでしょうが、その際の廃棄費用も高くなることが考えられます。
今のところ発電容量が多すぎて困ることはありませんが、もし今と同じ発電量のパネルを自前で用意するか言われると、それはしないだろうなと思います。
未来発電がオトクかどうかのシミュレーションの前に。。下準備。
さて、未来発電と自己負担で太陽光を採用する場合のメリット/デメリットを整理してみたところで、早速未来発電がオトクかどうかのシミュレーションを始めたいところですが、いくつか事前情報について整理したいと思います。
ここでは、
- 我が家のプロフィール
- 未来発電で採用した太陽光発電システムの初期費用
- 我が家の太陽光発電システムの直近2年の発電実績
をご紹介します。
我が家のプロフィール
設備
- 3LDKの総2階(洋室は今のところ2部屋ぶち抜きの状態なので1部屋にカウント)
- 延べ床面積126.91㎡(38.4坪)
- 12.37kWhの容量の太陽光パネル搭載(建て得バリューの条件で屋根一杯に載ってます)
- 全館空調システム「Smart Breeze One」を採用
- 電気・ガスの併用(給湯&床暖房はガス)
住人
- 夫・妻・乳幼児の3人家族。
- 夫は土日休日(カレンダー通り)。
- 食洗器はほぼ毎日利用、主に朝食&夕食後に使用。
- 洗濯はほぼ毎日。だいたい乾燥機併用。
未来発電で採用した太陽光発電システムの初期費用
未来発電で載せた我が家の太陽光発電システムのパワコン容量は9.9kW、パネル容量は12.37kW。この内容の発電システムの初期費用の見積もりは下のようになっています。
PVモジュール
商品名 | 数量 | 単価(円) | 合計(円) |
PVモジュール CS1V-265MS | 34 | 130,000 | 4,420,000 |
PVモジュール CS1VL-210MS | 16 | 10,3000 | 1,648,000 |
ソーラー引き抜き工具(T4型) | 1 | 1,500 | 1,500 |
小計 | 6,069,500 |
パワコン
商品名 | 数量 | 単価(円) | 合計(円) |
屋外パワコン用一括リモコン YLE-PM204RM | 1 | 15,000 | 15,000 |
リモコンケーブル(15m) POKC150B | 1 | 4,700 | 4,700 |
パワコンYLE-TL44B | 1 | 375,000 | 375,000 |
パワコンYLE-TL55B | 1 | 445,000 | 445,000 |
小計 | 839,700 |
その他
商品名 | 数量 | 単価(円) | 合計(円) |
接続機器 ソーラー引込線セット | 7 | 19,000 | 133,000 |
設置部材 一式(※) | 1 | 674,720 | 674,720 |
カラーモニター | 1 | 2,200 | 2,200 |
IoTホームLink 一式(※※) | 1 | 88,800 | 88,800 |
リクシルソーラー配送費 | 1 | 10,000 | 10,000 |
小計 | 908,720 |
(※)設置部材については、実際の見積書にはソーラーラックや端部カバー、固定ボルトなどそれぞれの単価が記載されていますが、ここでは省略します。
(※※)ホームコントローラと専用無線LANルータ(我が家はBuffalo製)の2つが含まれます。
トータル
項目 | 合計金額(円) |
PVモジュール | 6,069,500 |
パワコン | 839,700 |
その他 | 908,720 |
合計 | 7,817,920 |
我が家で採用している太陽光発電システム、初期費用はなんと780万円。。!!メチャクチャ掛かってますね(笑)
まさかこの費用を自己負担してまで太陽光発電システムを採用しようとは、中々思わないでしょう。。
我が家の発電量&余剰発電量の実績
さて、次に我が家の実際の太陽光発電システムの発電量と、売電収入に関わる余剰発電量についてご紹介します。
なお、余剰発電量についてはLifeAssistによる発電量と消費電力量のデータから、
- 余剰発電量=発電量-自家消費電力量
として計算します。LifeAssistって便利で、1時間ごとの発電量や買電/売電量、各居室での消費電力などのデータを参照できます。
では早速発電量と余剰発電量を見てみます。2020年11月~2022年11月(2022年6月除く)までの2年間のデータです。※2022年6月はデータ取得できていませんでした。。
青色が1か月の発電量の合計、オレンジが発電した電気の内使用しなかった分(=余剰発電)の合計です。
ほぼ発電量=余剰発電量といった感じで、発電量に占める余剰発電量の割合は約9割です。
例えば一日の良く晴れた日(2022.5.3)の発電量、余剰発電量、買電量は以下のようでした。
日の出ない夜の時間帯は発電しないのでん買電しますが、日の出る時間(この日だと6時から17時)は発電量が自家消費電力量を上回るため、自分で使う電気は全て太陽光発電により賄われています。
そして、赤色のグラフが余剰発電量ですが、ご覧の通り発電している時間帯で全て余剰発電が発生しています。それも、発電量の8~9割を余剰発電量が占めるということです。
未来発電では、この余剰発電分を売電せずに全てリクシルに譲渡しているというのですから、非常にモッタイナイ!!!(笑)
もちろん家族構成や共働きなのかどうか、等によって家庭内での使用電力量は変わるので余剰発電量も違うでしょうが、発電量の内大きな割合を占めるということは変わりないのでは、と思います。
未来発電はオトクなのか?我が家の発電実績でシミュレーション!
お待たせしました!
いよいよ未来発電がオトクかどうか具体的に考えていきましょう!
ちなみに、太陽光発電システムの期待寿命は30年とされていることが多いらしいですね。未来発電がオトクかどうかは結構長い目で見る必要があるのかな、と考えました。
ということで、
設置後30年間において、
収支=(電気代削減分)+(売電収入)ー(太陽光発電システムの初期費用)
の結果が未来発電が上回っていたら、未来発電の勝ち!
と考えることにします。
ここで、自己負担で太陽光発電を採用する場合として以下の2パターンを一応考えてみます。
- 未来発電と同じ発電容量のシステムを自己負担
- 一戸建てで一般的な5kWの発電容量のシステムを自己負担
また、その他シミュレーションする上でいくつか条件設定しました。
- 買電する電気代は27円/kWhで計算
- 売電価格は採用後10年間は16円/kWh(2023年の売電価格)、11年目からは7円
- 発電効率は毎年0.5%ずつ落ちていく
- 自家消費電力は過去2年間のデータを元に平均値を使用
では、ここからは未来発電と自己負担で採用した場合の収支について、それぞれ考えていきましょう!
未来発電
初期費用
未来発電の場合、初期費用は0円です!
30年間の売電収入
30年間通しての収支はどうなるかというと、下のような感じです。
初期費用が0円なので収支がマイナスになることはありませんが、最初の10年間は売電できません。最初の10年は自家消費分を賄う分だけですね。
10年縛りが終わるとやっと売電可能になります。自家消費分+売電7円/kWh(ただし電力の固定額買取期間は終了)となります。
未来発電は30年を通して一度も収支はマイナスとならないのが安心と言えば安心ですね。ただし、特に最初の10年は全く売電できない&11年目以降は固定買取価格が保証されず売電価格が大きく下がる、ということでもどかしさはありますね💦
自己負担(発電容量が未来発電と同等)
初期費用
未来発電で採用した内容の太陽光発電システムの初期費用を自己負担しようとすると、約780万円でした。ア、アリエナイ。。?
30年間の売電収入
初期費用を自己負担して未来発電と同じ内容のシステムを採用した場合、採用初年から発電できます。
まず我が家での発電量及び余剰発電量の実績データをもとに、ここ2年間の売電収入を計算してみます↓
売電収入は平均13,714円/月でした。一番多い月で21,806円、少ない月で9,146円という感じです。(2022年6月はデータ取得できなかったため0円でカウント)
春は発電量が多い一方、季節が良いので空調費用はあまり多く掛からず余剰発電量が多くなっています。
冬はその逆ですね。日照時間が少なく終日晴れの日も少ないのに、暖房などで消費電力は結構食うので余剰発電量は少なくなります。
さて、気になる1年あたりの売電収入ですが、ちょうど2021年が12か月分データがあるのでそれをもとに算出してみると、、
2021年の売電収入は合計17,4748円となりました。
更に、30年後までの売電収入をグラフにしてみると、こんな感じになると予想されます。
2020年はデータが11月、12月分しかありません。2022年は6月分のデータが取得できていませんでしたので、このような結果になっています。
2030年からは固定買取価格の保証が無くなって7円/kWhになると仮定しているため、売電収入もガクッと下がります。
では、30年間の収支がどうなるかというと、このようになります↓
初期費用が高すぎて30年間ではとても回収できません。30年間の総収入は自家消費分と売電収入を足して約289.5万円となりましたが、初期費用が780万円なので60年間使い続けてもまだ元はとれません。
自己負担(発電容量が5kW)
初期費用
5kWの発電システムの場合、初期費用が137.5万円ほど掛かるそうです。
ちなみに未来発電はパネル容量12.37kW&パワコン容量9.9kWhで780万円。ちょっと(結構。。?)割高かもしれないです。
30年間の売電収入
パネル発電量が5kWの場合の発電量を、今の我が家の発電システム(パネル容量12.37kW)を元に比例計算してみました。
まず、余剰発電量の様子が変わります。下のグラフは、2021年の我が家の実績データから発電容量5kWの場合をシミュレーションしてみた結果です。
とはいえ、パネル容量が5kWとなっても余剰発電量はちゃんと発生するようです。
ここから売電収入を計算してみるとこんな感じ↓
パネル容量5kWを自己負担した場合の30年間の収支は以下のようになります。
自家消費分と売電収入を合わせて、約25年後に元が取れる計算になりました。最終的に30年後に約15.5万円のプラスとなります。
今回は我が家の自家消費電力と余剰発電量を基準に計算したので、多少ここから前後する可能性はあります。
ざっとネットで調べるてみると、一年あたり自家消費電力の削減分と売電収入を合わせると10万円ほどプラスになるという計算が多いので、それでいくと14年ほどで元が取れる場合が多いのかもしれません。
結果発表!未来発電はオトクなのか?
では、改めて未来発電、未来発電と同じシステムを自己負担、5kWのシステムを自己負担の3つの収支を比べてみます。
結果として、30年後に収支がプラスとなっているのは未来発電と自己負担(パネル容量5kW)、30年後に一番収支が良いのは未来発電となりました。
太陽光発電を自己負担で採用する場合は、当然のことながら最初は収支マイナスからのスタート。しかし未来発電は初期費用0円のため収支はプラスマイナス0からスタートし、一度もマイナスになることなく30年後を迎えています。
もしかしたら発電システムを自己負担して採用初年から売電した方が、初期費用をカバーするだけでなくむしろ10年経つ前にプラスに転じるんじゃないの?と思っていましたが、そんなことはなく、未来発電が長期的に見てもオトクとなる可能性が高いことが分かりました。
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まとめ(ちょっと長いです)
今回は、結局のところ未来発電はオトクなのか?という疑問に取り組みました。
結果としては、今のところ、自己負担で太陽光発電を採用するよりも未来発電の方がオトクになる可能性が高そうです。
未来発電がオトクになったポイントとしては、売電価格が年々下がっていることがあります。
例えば今から10年前の2012年は売電価格が34~42円/kWhでしたが、2023年は16円/kWhと半分にまで下がっています。
太陽光発電システムを自己負担で採用した場合、自家消費電力を太陽光発電で賄うこと&売電収入によって、初期費用のマイナス分を取り戻すことを考えると思います。しかし、頼りの売電収入の単価が年々下がっているため元を取ることが前よりも難しくなっています。
今後の太陽光発電の考え方としては、売電収入を得るというよりも自分たちで使う電力を太陽光発電により賄う、という考え方の方が合っているのかもしれません。
そう考えると、初期費用の負担なしで太陽光発電システムを採用できる未来発電はかなりオトクと考えられます。
しかし、「未来発電の方がオトク」がひっくり返る場合として、例えば以下の2点が考えられます。
- 太陽光発電システムの初期費用が安くなる
- 未来発電の制約がどうしても受け入れられない
今回、発電システムを自己負担する場合について、容量5kWの場合を137.5万円として考えましたが、今後この費用は下がっていることが考えられます。そうなれば、もしかしたら今回のシミュレーション結果がひっくり返る可能性もあります。
(というか、未来発電の780万円があり得ない寄りのあり得ないですよね。。)
また、未来発電(=リクシルの建て得)を採用する上での制約がネックになることも考えられます。
具体的には、
- リクシル製品を採用しないといけないこと
- 原則屋根いっぱいに太陽光パネルを載せないといけない
- 容量1kWh以上の蓄電池を置けないこと
といった制約です。
特に、どうしても採用したいメーカーの製品があるという人にとって、いわゆる”リクシル製品”縛りは苦痛でしょう。家づくりにおける優先順位が自分の採用したいメーカー製品にあるのなら、未来発電の選択肢は無くなると思います。
未来発電のメリットはあくまで「初期費用0円」なので、初期費用が問題ならない場合は未来発電を選択する必要はありません。それよりも自分の思い通りの家づくりを優先される方が大事だと思います。
このブログでは何度か申し上げたことがありますが、家づくりで大事なのは「自分にとっての優先順位」を意識すること。未来発電を採用するか否かについても、自分にとって十分なメリットとなるかを熟考して決めましょう。
では今回はここまで。また次回よろしくお願いします!
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